弓 神 楽

 弓神楽は神事であるとともに、伝統の文化財である。貴重な無形民俗文化財として、昭和四十六年広島県指定無形民俗文化財、昭和五十三年には、文化庁より記録作成を講ずべき文化財に選定された。

  弓神楽は、「弓祈祷」「神弓祭」「家神楽」と称され、かつては備後南部を除き、旧比婆郡、双三郡、甲奴郡、芦品郡、御調郡、世羅郡の中北部一帯に盛んであり、小集落(名・谷・組)の荒神祭り・大仙祭りの共同祭祀のほか、個人の家の年祝い(厄払)にも盛んであった。しかし、経済の高度成長期に入り、人々の生活環境の変化により、次第に減少している。

 弓神楽を文化財として各地で公演されてきたが、有識者の部分で止まり、民衆への知名度は低いように思える。本来、神事としての弓神楽である。現在、年長者を中心として、集落で、自宅で神祭りとして執り行われている。次世代が受け継いで執り行っているところも増えている。

 

 弓神楽は、普通の弓を「ユリワ」という半切り桶(すし桶)を伏せて、それに細紐で結びつけ、箸より少々太い太さで長さ六十センチくらいの「打ち竹」という小竹を両手に持ち、弦をたたきながらその音楽に合わせて祭文を唱えるもので、始終正座のままである。最後に悪魔退散の矢を射る時に立膝の姿勢になるのみで、殆ど動作がなく、弓の音色は勇壮、唱える祭文は長閑であり、備後独特の語り口調である。

 祭文は、土公祭文と手草祭文を読むことが中心である。

万物は陰と陽(天地・日月・夜昼・男女等)の二気と木・火・土・金・水の五元素により生成するという陰陽五行説は、古来中国より我が国に渡来した。広く信じられ天文・暦法により伝統文化に国民生活に多大な影響を及ぼすようになった。

 五行は神が司るものとし、それを鎮める祭儀が行われるようになり、約五百年前には、五行の神を人神化し、太郎・二郎・三郎・四郎・五郎の王子と名づけた。備後では五行の神を竈の神・土公神(どくうじん・ろっくうさん)とし、約三百年前に現在伝わる「土公祭文」が編集され、土公神を祀るための祭文として重んじられ、弓神楽の重要な祭文として演奏されるようになった。

 「土公祭文」は、大王と后より生まれた五人王子の所務の争いで、最後に門前博士の仲裁により、目出度く配分調い、五人王子は竈へ納むるという物語が展開する。この祭文は日本文学の基調である七・五調の文章に綴られ、口承するに易く、聞く者を陶酔せしめた。

「手草祭文」は須佐之男命の悪しき所行により、天照大神が天岩屋に隠れ給うにより、世界は闇夜となる。八百万の神岩戸の前に集いて、天照大神の出御を祈り、天細女命は神楽を舞った。遂に天照大神が現れ天地を開くという壮大な神話を語るものである

弓神楽は土公祭のみでなく、江戸時代末期には、名(めう)・谷と呼ばれた小集落の荒神祭りにも演奏されるようになった。明治後は竈のない家でも、四十二歳、六十一歳(還暦)、八十八歳の厄払い(年祝い)には、必ず弓神楽を宅神祭(かんまつり)の祭儀として行っていた。戦後の高度経済成長期を迎え、人々の生活変化に伴い、次第に減少しつつ、現在に至っている。

手草祭文によってけがれを祓い、土公祭文によって地霊の土公を鎮め、豊穣を祈念するものである。それは弓にのせて読む祭文の呪力により可能となるものであり、打ち鳴らす弓弦の響きは、人々を興奮せしめ、衰えた生命力の復活をもたらすものである。

 

○井永八幡神社にて弓神楽奉納

9月第3土曜日井永八幡神社氏子組、19:30 3組に分かれて当屋出立・・・神殿入り 20:00頃より豊穣祭。20:30ぐらいより弓神楽奉納。

 終了21:10

 

現在の弓神楽の奉仕

 神事として奉仕

  小集落の式年荒神まつり 土公祭文・手草祭文  1日か2日  

                    

 



 

 

 

 

 

 

 

 


斎場の準備 お供え・御幣・お飾りの準備。この集落では二間の真ん中に祭壇を設けます。

             宅神祭では、斎場は床の間となります。さ

 

家で かん祭り・宅神祭  手草祭文のみ  半日   希望があれば 土公祭文と手草祭文で1日

  

 会場で 年祝い・厄除けなど

神社奉納 手草祭文のみ 氏子の所願成就 40分程度

 

文化財として公演

  会場で 手草祭文のみ

 

弓神楽「田中重雄」CD販売田中律子含む 

               2,300(税別)

上下町井永 法界山産地直販センターにて販売

 上下町上下 上下レコードにて販売

 インターネットで弓神楽「田中重雄」CDで検索。EMレコードが販売 田中重雄のレコードだけも販売されています。

 

 

弓神楽写真集販売 3,720(税込み)

 

 

 
令和5年 弓神楽奉仕
 1月2日 厄除祭 宅神祭 上下町有福 一人奉仕
 1月29日 カンマツリ 宅神祭 府中市行縢町 一人奉仕
 2月3日 節分祭 高御調八幡神社 尾道市御調町 斎主宮司 弓神楽一人奉仕
 2月4日 カンマツリ 宅神祭 府中市行縢町 一人奉仕
 2月26日 式年四季荒神祭 三原市久井町 斎主稲生神社宮司 弓神楽一人奉仕
 

 問い合わせ先 tutinoko516@aqua.plala.or.jp 電話・FAX 0847-62-3840 宮司宅